受発注システムとは、飲食店が卸売り業者などに対して発注などの業務をPCやスマートフォン上で効率的に行えるサービスです。以前は電話やFAXでのやり取りが主流であった業務ですが、この受発注システムが登場することでより便利で効率的な業務をすることが可能となりました。このページでは主要な10の受発注システムを紹介・比較していきます。
クロスオーダー
クロスオーダーとは、XTechグループの傘下であるクロスマート株式会社が運営する受発注システムです。サービス開始は2019年11月で新しいサービスですが、全国の名のある卸売会社が導入しているようです。料金体系は初期費用+月額費用となっており、公開はされていません。
クロスオーダーの特徴
発注者は、LINEとFAXで発注することができるのが大きな特徴で、取引先の導入率は40%~80%となっています。受注者側は基幹システムに合わせたCSVデータで受け取ることができます。
データでのやり取りになるので発注トラブルが減ったとの事例もあるようです。また販促機能もあり取引先ごとにターゲティングして商品を配信することが可能なので効果的に販促ができます。
また、発注者は誰がどこの業者へ何を発注したか通知で受け取れるので、重複してしまうなどのトラブルを減少することが可能です。導入が決まると業界に精通したコンサルタントが付きます。その担当者が会社ごとにクロスオーダーをどう使えるか業務フローの提案してくれるという点も嬉しいポイントです。
導入事例の企業を見ると食品卸売会社が取り扱いジャンルを問わずに導入しているようなので、食品卸売会社の方におすすめのサービスでしょう。
BtoBプラットフォーム受発注
BtoBプラットフォーム受発注とは、東証一部上場企業のインフォマートが運営する受発注システムです。サービス開始は2003年の2月と歴史のあるサービスとなっています。
B toBプラットフォーム利用企業は40万社超えで日本の中でもかなり大きいプラットフォームと言えます。他にも決済代行サービスや規格書、契約書など受発注領域以外のサービスも充実しています。料金体系は記載されておらず問い合わせが必要です。
BtoBプラットフォーム受発注の特徴
BtoBプラットフォーム受発注のサービスの特徴として、データ管理が豊富にできるという点が挙げられます。日々の受発注データだけではなく、棚卸しの機能や単価管理、支払い管理がインフォマート上で管理できます。また発注者は専用の機械を入れることで、自動発注の仕組みを取り入れることが可能になっています。
受注者側は飲食店の発注データを大塚商会などの販売管理システムと連携することでデータで管理することできます。また基幹システムと連携することでインフォマート上から納品伝票を作成することができるのも大きな特徴です。
PCが無い方向けに「受発注ライト」というサービスも提供しており、スマートフォンからも日々の発注が可能になっています。
アラジンEC
アラジンECとは、東証一部上場企業の株式会社アイルが運営する受発注システムです。株式会社アイルは2004年より基幹システムの「アラジンオフィス」を提供しており、その後アラジンECのサービスがリリースされました。
5000社以上の企業が導入をしていて、アパレルや医療機器、食品、建築資材など多くの業態で導入されているサービスになります。料金体系は、従量課金型ではなく月額固定型となっています。詳細のプランは掲載されていないので問い合わせが必要です。
アラジンECの特徴
自社の業務に合わせてカスタマイズを柔軟にできるのが、アラジンECの大きな特徴と言えるでしょう。例えば商品ごとのリードタイム設定や見積機能、注文締切時間設定など必要な機能が網羅されています。豊富な機能があるため受発注サービスとして使用することも可能ですし、基幹システムとして活用することも可能です。
また、1から自社で開発するよりパッケージで販売している分費用的にも抑えた上で業務フローに合ったシステム構築が実現できます。
発注者は、PCやスマホ、タブレットから発注することができるので、発注者の持っているデバイスに合わせることも可能になっています。FAXや電話に抵抗がある方にとっても、嬉しいサービスと言えるでしょう。
ネクストエンジン
ネクストエンジンとは、東証一部上場企業であるHamee株式会社が提供する受発注システムです。Hameeの自社ECサイトでも、このネクストエンジンが活用されています。多くの業種・業態の会社が導入しており汎用性が高い受発注システムとなっています。
料金は月額課金制となっていて、どんな機能をカスタマイズするかによって金額が変わってきます。最低金額は1万円/月としていますが、一ヶ月の受注件数によっても料金が変わってくるので注意が必要です。
ネクストエンジンの特徴
ネクストエンジンの大きな特徴なのが、ECサイトの一元管理に特化しており、幅広く機能をカスタマイズできる点です。機能をカスタマイズすることで受注から在庫管理、出荷作業まで一気通貫で手間なく管理できます。
決済連携もできることから入金確認の手間や漏れを防ぐことができます。どちらかというBtoBでの受発注管理というよりかはネットショッピングをメインに扱っている会社向けの機能が充実しています。
30日間の無料体験も実施しているので、いきなりシステムを導入するのに抵抗がある方にとってもおすすめのサービスとなっています。
TEMPOSTAR
TEMPOSTAR(テンポスター)はNHN SAVAWAY株式会社が運営する受発注システムです。ネットショップ支援を12年間以上しており、計3500社以上の実績があるほか、注文を受ける側にとって充実した機能があります。
料金は基本料金が月額1万円からとなっており、定額制プランと従量課金制プランを選択することができます。大きな初期費用が発生しないという点も喜ばれるポイントでしょう。
TEMPOSTARの特徴
TEMPOSTARの大きな特徴なのが、複数のECサイトを一元管理できる点です。楽天やAmazon、Yahoo!などのネットショッピングの受注や在庫管理、商品管理などを一気通貫で管理することができます。
また、TEMPOSTARは売上を向上させるために、いち早く対応をしてお客さんの元に早く届けることをしており、そのための機能が充実しています。その他にも、データで管理することで属人的な管理を防ぐことができます。
導入している企業は、食品やアパレル、スポーツと幅広い企業が導入しています。顧客向けのセミナーも力を入れて行っており、どのように運用していく学ぶことができます。機能制限がない状態で30日間のトライアルもできるので、興味がある方はまず無料でお試し利用することが可能です。
らくうけーる
らくうけーるとは、JFEエンジニアリング株式会社が運営する受発注システムにです。JFEエンジニアリングは、シールドマシンやロジスティクスなどを提供しているなど、幅広く事業を行っています。
らくうけーるの料金体系は、従量課金と月額料金を合わせた形になります。基本料金が月額2万円で、受注者側は1つのIDあたり月額2000円となっています。発注者側のIDが99個までで。1つのIDあたり600円、100個以上で1つのIDあたり100円となっています。
らくうけーるの特徴
らくうけーるはスーパーや飲食店と卸売会社との受発注にフォーカスしたサービスになっています。受け手側は入荷案内の作成から受注、発注書の作成まで行うことができます。
受注データはCSVの形式で既存の基幹システムと連携することができるので、手入力などの作業を削減することができます。しかし、既存のシステムの改修が必要な場合もあるそうなので確認が必要です。
最大7日分の連休対応や複数納品日の提案ができるなど他社にあまりない機能もあります。発注者側はPCだけではなく、タブレット、スマートフォンから発注することができるため、場所を問わずに発注できるのも嬉しい点と言えるでしょう。
corec
CORECとは、東証一部上場企業である株式会社ラクーンホールディングスが運営する受発注システムです。すでに35000社以上が導入しているサービスで、料金体系は受注者側は、無料プランとビジネスプランがあります。ビジネスプランの価格は、月額1980円/月(税抜)となっていいます。
発注者側にも無料プランとビジネスプランがあります。ビジネスプランは980円/月(税抜)となっていて、初期費用は0円となっています。
CORECの特徴
CORECの大きな特徴なのが、安価である代わりにシンプルな受発注サービスになっているというところでしょう。注文は取引先ごとに注文画面を作成でき、発注者側は登録してある商品を選択して注文する形になります。受注データは、PDFやCSV形式で一括ダウンロードが可能になります。
CSVのフォーマットに関しては、既存の基幹システムにしっかり連携できるか確認が必要なのが注意する点です。また納品書や請求書も発行ができる機能もあります。発注者側はスマートフォンやタブレット、PCからも発注が可能になっているのでどこからでも発注することができます。
またCORECを導入していない会社に発注データをメールやFAXで送付できるので発注の一元化が可能になっています。
Place Orders
Place Ordersとは、東証一部上場企業である株式会社シンクロフーズが運営する受発注システムとなっています。シンクロフーズは、飲食店向けに多数の事業を運営しています。例えば飲食店と卸売会社のマッチングサービスである飲食店.comや飲食店の求人事業などが有名です。
Place Ordersの料金体系は、発注者側が料金を払うのが大きな特徴です。プランは、無料プランとライトプラン、プレミアムプランの3つが用意されています。料金は、ライトプランは980円(税抜)、プレミアムプランは3900円(税抜)です。また2店舗以上で発注したい場合カスタムプランという形で別途見積請求が必要になります。
Place Ordersの特徴
サービスの特徴は飲食店の発注に特化しているという点が特徴です。特にプレミアムプランになると分析機能が利用できるため、月ごとの発注状況を効率的に管理することができます。
また、PlaceOrdersはアプリ対応もしており、スマートフォンやタブレットからも注文ができます。受注者側にはFAX,メールなどに送信ができます。飲食店は卸売会社への発注が一元化できるので、発注方法が煩雑になっている会社にはおすすめのサービスと言えるでしょう。
MOS
MOSは株式会社アクロスソリューションズが運営する受発注サービスになります。340社以上が導入しており生鮮食品から塗料用品まで色々なジャンルの卸売会社が導入しています。料金体系は公開されておらず、問い合わせから見積請求が必要になります。
MOSの特徴
サービスの特徴としては受注者側に便利な機能がある点です。現在使っている基幹システムとCSVデータの形式で連携することができるのでMOS上で来たデータに関しては手入力する必要がなくなります。
クラウドで管理されているサービスになるので、営業担当の方は外出中でもどんな発注が来ているのか確認が可能になっているます。発注者側はスマホやタブレット、PCでも発注することが可能になっており、どこからでも発注の手続きができるようになっています。
また、独自の発注アルゴリズムにより、よく注文する商品をより発注しやすいように上位表示されます。商品には画像をつけることができるため、視覚的に商品を認識することができます。導入する際のサポート体制もあり商品マスタ、取引先マスタの整備などより導入ハードルが低くなっています。
マルチプラットフォームシステム
マルチプラットフォームシステムとは、海外進出にも力を入れている株式会社オザックスの提供する受発注システムです。オザックスと商社が共同で機能開発をしており調達、物流面にも配慮が届いたサービスとなっています。
発注者側には日本ケンタッキーフライドチキ株式会社やワタミ株式会社など有名なチェーン店が導入しているようです。料金は公開されておらず問合わせが必要になります。
マルチプラットフォームシステムの特徴
マルチプラットフォームシステムの特徴は、受注者側にも発注者側にも機能が充実している点です。注文の受け手側は、納品伝票の発行のための手入力が必要なく請求の締めなどもできます。
また商品マスタのメンテナンスの更新や価格変更などの機能も備わっています。また珍しい機能としては運賃設定や配送ルートの管理もできる点でしょう。発注側はチェーン店向けに機能が充実しています。
例えば、PCやスマホで発注できるのはもちろんですが、本部機能があるという点ではチェーン店にっとって管理がしやすいでしょう。また、棚卸機能や発注制限、発注承認があるという点もチェーン店にとってはかなり嬉しい機能でしょう。